伝統的な棕櫚箒作りに携わる中で、とても日本人らしいなあ、と思う事のひとつが、素材を生かし無駄にしないという物作りの基本姿勢です。 棕櫚をはじめ竹材などすべての素材について、最も素材が生きる加工方法・用いるべき場所を真剣に…

本鬼毛長柄箒の小玉作り
本鬼毛7玉長柄箒の小玉(しょうだま)作り。小玉は、長柄箒の両端の玉(束)と中央の持ち手を付けた玉以外の小さい玉のことです。11玉長柄箒には小玉が8つ、9玉長柄箒には小玉が6つ、7玉長柄箒には小玉が4つあります。 足巻きを…

本鬼毛長柄箒の耳玉作り
本鬼毛7玉長柄箒の耳玉を作ります。「耳玉(みみだま)」は長柄箒の一番両端に付ける玉です。 長柄箒を構成する棕櫚の玉(束)は、真ん中の柄(持ち手)が付いた玉と両端の耳玉は特に重要なパーツなので太く厚く作ります。この3玉以外…

本鬼毛9玉長柄箒作り
引き続き本鬼毛9玉長柄箒作り。玉を一通りすべて刺し終えたところ。まだまだ完成ではなく、これから柄(持ち手)と棕櫚部分の境い目に蝋引き麻糸を巻く工程へ移ります。 長柄箒の左右の一番端に付く太い玉(束)は「耳玉(みみだま)」…

箒を合わせる
本鬼毛9玉長柄箒の玉をコウガイ(竹串)に通し、棕櫚箒の形に組み立てていきます。 箒の形に組み立てる工程は、同じ和箒の一種であるホウキモロコシの箒では「箒を編む」というそうですが、棕櫚箒を完成品の形に組み立てていく工程は「…

本鬼毛箒の玉作り-足巻きをする工程
引き続き本鬼毛9玉長柄箒の玉作りと鬼毛(本鬼毛・タチケ)の選別作業。玉(束)の表層の鬼毛を残し、内側の余分な長さの鬼毛をカットした後、引き紐で引き絞り、一定の間隔をあけながら銅線で硬く縛っていく「足巻きをする」工程。

引き紐で仮締め
固定した鉄パイプにくくった引き紐を使って棕櫚箒の玉(束)を仮締めし、緩まないようにすぐに銅線で硬く縛ります。 特に鬼毛箒(タイシ箒)・本鬼毛箒は箒を繰り返し使用するうちに、もし玉を縛る銅線や蝋引き麻糸が緩むと棕櫚繊維が抜…

鬼毛(本鬼毛・タチケ)の選別と玉作り
鬼毛(本鬼毛・タチケ)を1本ずつ選別し集めながら、本鬼毛9玉長柄箒の玉(束)作り。 一人での本鬼毛箒作りに挑戦して数年が経ちますが、本鬼毛箒製作時間の半分程を占める鬼毛(本鬼毛・タチケ)の選別作業は長時間続けると非常に疲…

棕櫚箒のコウガイの語源
コウガイは棕櫚箒の長柄箒・片手箒・一部の荒神箒に使う太い竹串です。持ち手・柄(え)に真横にあけた穴に通したコウガイに、小さい棕櫚の玉(束)を順番に刺して柄(え)に留めていき、1本の棕櫚箒は作られています。 弟子入り直後「…

本鬼毛小箒の仕上げ工程-箒を磨く
本鬼毛5玉小手箒[階段箒]の仕上げ工程のひとつ、「箒を磨く」工程。仕上げ用の本鬼毛製小箒(仕上ブラシ)を使って、水で濡らして熊手をかけた棕櫚繊維を梳かしながら伸ばし磨きます。

作業台周辺
棕櫚箒作りをする作業台。修業中ずっと使っていた作業台の寸法を測って自分で作ったものです。 材質は欅(ケヤキ)で、一部に鉄を取り付けています(欅でなくても硬い木材ならよいです)。 中央の白い紐は「引き紐」とよんでいて、固定…

棕櫚箒-本鬼毛9玉長柄箒の玉作り
本鬼毛9玉長柄箒の玉(束)作り。あらかじめ1本ずつ選び出して集めておいた鬼毛(本鬼毛・タチケ)を、毛質の違いなどで分け、層にして束ねていきます。 棕櫚箒を構成する玉(束)はそれ自体が小さな棕櫚箒です。1本の箒を形作るそれ…