引き続き、鬼毛箒(タイシ箒)7玉長柄箒作り。 4月・5月は温度・湿度の変動が激しく、急な乾燥などで棕櫚繊維にクセやカールが出やすくまとまりにくくなります。師匠はよく「この時分が一年で一番、鬼毛箒が作りにくい」とぼやいてい…
年: 2017

昔の棕櫚箒(江戸時代)3-木下蔭狭間合戦 石川五右衛門/絵金画
江戸時代の棕櫚箒をご紹介します。絵師金蔵=絵金(1812-1876年)画の芝居絵屏風「木下蔭狭間合戦(このしたかげはざまがっせん)石川五右衛門(いしかわごえもん)」。一部分に棕櫚皮長柄箒が描かれています。 石川五右衛門の…

竹のクサビを打ち込む
引き続き、鬼毛箒(タイシ箒)7玉長柄箒作り。竹製のクサビを打ち込みます。このシュロほうきの完成時には竹のクサビは見えなくなります。クサビを打つのは箒をより長持ちさせる為です。 長年ほうきを使っていると、乾燥などにより柄竹…

鬼毛箒(タイシ箒)を合わせる
引き続き、鬼毛箒(タイシ箒)7玉長柄箒作り。バラバラに製作したパーツ・玉(束)を、完成品の棕櫚箒の形に組み立てる「箒を合わせる」工程。長柄箒の中心「柄付けの玉(えづけのたま)」に真横に貫通させたコウガイ(太い竹串)に、左…

棕櫚繊維の毛羽立ちを焼き切る
鬼毛箒(タイシ箒)7玉長柄箒の仕上げ工程。シュロほうき表面の棕櫚の毛羽立ちをライターの火で炙って焼き切ります。 棕櫚繊維表面に現れる毛羽立ち(毛羽は本鬼毛よりも、特にタイシ表面に多く見られる)は何だろうかと長年考えていた…

ツッコミ-銅線を押し込む道具
引き続き鬼毛箒(タイシ箒)7玉長柄箒の玉作り。縛り終えた銅線は鋏で切ります。そのままではねじった銅線が数mm飛び出していて危ないですし、よりほどけにくく丈夫で美しい処理にするためにも、飛び出している銅線数mmは棕櫚束の中…

鬼毛箒(タイシ箒)長柄箒の玉作り
引き続き鬼毛箒(タイシ箒)7玉長柄箒の玉作り。各玉(束)それぞれに適した厚さになるよう、使う棕櫚繊維の量・質を微調整しながら縛っていきます。 そのほかに、今日は地元の問屋さんが新しい棕櫚皮を持ってきてくださいました。棕櫚…

鬼毛箒(タイシ箒)長柄箒の玉作り
鬼毛箒(タイシ箒)7玉長柄箒の玉作り。短い棕櫚繊維を自作のクシを使って取り除いていきます。 鬼毛箒・本鬼毛箒の原料の棕櫚繊維のことを「タイシ(漢字表記:太市)」といいます。タイシは、棕櫚皮をほぐして1本1本バラバラの状態…

本鬼毛長柄箒の玉作り
引き続き本鬼毛9玉長柄箒作り。ひとつひとつの玉(束)に、規則正しく銅線を巻く「足巻き」とよぶ部分を作るために、表層の鬼毛(本鬼毛・タチケ)を1、2本ずつすくっていく工程。右手に持ったクジリ(千枚通し)を使って玉の表層の棕…

鬼毛(本鬼毛・タチケ)の選別
本鬼毛9玉長柄箒作り。鬼毛の選別と玉(束)作りの工程を続けます。 いつも通り未選別の棕櫚繊維(タイシ)の中から本物の鬼毛(本鬼毛・タチケ)を1本ずつ抜き、長さや質ごとに分類しながら集めます。 実は先日の毛ごしらえの際、一…

クジリで下穴を開ける
本鬼毛9玉長柄箒作り。棕櫚箒の各玉(束)は、コウガイ(竹串)に通す前にクジリ(千枚通し)で下穴を開けます。もし下穴なしで玉を直接コウガイに刺すことが出来れば、より早く作業が出来るのですが、強く縛った棕櫚はとても硬く、そう…

昔の棕櫚箒(江戸時代)2-「人倫訓蒙図彙」/元禄3年1690-1691年/蒔絵師源三郎画など
左:「江戸職人図聚」三谷一馬 著(中央公論新社) / 右:「日本職人史の研究-日本職人史序説」遠藤元男 著(雄山閣出版株式会社) 江戸時代の棕櫚箒をご紹介します。ブログ名にも使っている「箒師」を描いた絵です。昔は「棕櫚箒…